不思議な男2
2013年6月30日。
私は不思議な男に出逢った。
本日の主題はこの男でないので、どう不思議かは割愛させていただくが、1つだけ言えるのは”良い意味で”不思議だったということである。
そう、私が不思議という言葉を使うとき、たいていは良い意味だ。
未知。今までにない感覚。今まで気付かなかった自分の一面に光を当てるような出来事、もしくは人に出逢うこと。
私にとっての不思議体験とは、そういうことを指す。
私の母は、ある一部分に関しては少女のまま成長が止まってしまったような人だ。
淡いピンクやお花のような女の子っぽいっものが大好きで、小さい頃からピアノとバイオリンを習っていた。
ディズニーランドの年間パスポートを持っていて、家族でご飯を食べにいくと、真っ先に料理の写真を撮りたがる。
そんな母は女の子が生まれて、本当に嬉しかったと言う。
物心ついた時から、母は私の髪を長く伸ばし続け、毎日三つ編みしたりなんやかんやとヘアスタイリングをしてくれた。
小さい頃は女の子らしい可愛い服をたくさん着せてもらったし、よく一緒にシルバニアファミリーやリカちゃん人形で遊んでくれた。
私はピンクこそ好きだけど、母ほどの女の子らしさは持ち合わせていないと思っていた。女の子らしいものはダサいって思う時期もあった。
私が小学生の頃はSPEEDがアイドルで、渋谷はルーズソックスを履いたガングロギャルが闊歩する時代で、かっこいいが主流だった。
AKBみたいな女子は、”ぶりっこ”と揶揄される。
そんな時代に適合するかのように、私は母の好きな女の子らしさから離れていったし、それは私と母との違いであり、離れた自分が本来の自分だと思っていた。
不思議な男2は、本来の私は母に限りなく近いことを教えてくれた。
8歳で辞めてしまったピアノ、つまんないと思ってたクラシック音楽。
不思議な男2と十数年ぶりかにピアノを弾いたとき、自分がゼロの状態にいて、私の根っこが限りなく母に近いことを感じた。